詩と空間
空間に、詩を作ってもらう。これは、詩人のウチダゴウさんとの出逢いから年月が経ち、ようやく実現したものです。常々、私たちの仕事、そこに込めた思いや願いは、従来の竣工写真だけでは伝えられないと感じていました。
その不足感が、空間の気配やコンセプトをもとに、詩を書いてもらうことによって、足りないピースが埋まったのです。肉体に心が入ったような感覚でした。
私たちがそれぞれの空間を単なる箱としてのみ手がけたのではないように、情報としてだけではなく、ひとつの小さな表現としてアーカイブするこの「詩と空間」を、どうぞお楽しみください。
作者プロフィール
ウチダゴウ
詩人・グラフィックデザイナー。1983年生まれ。立教大学法学部卒。
2010年に長野県松本市へ移住し、詩とデザインのアトリエ「してきなしごと」を開業。
2018年、長野県安曇野市を拠点に。詩人としての活動と並行して、ブランディングを兼ね備えたディレクション・グラフィックデザイン、またギャラリーの企画運営を手がける。全国各地で個展・朗読会を開催、出演。近年では英国・スコットランドを度々訪ね、現地での執筆・朗読・個展活動を行っている。近著に詩集『原野の返事』(してきなしごと)、『鬼は逃げる』(三輪舎)など。